急速に進んでいる日本の少子高齢化。
それに伴って、私たちの暮らしにも大きな影響がある。
ここでは、少子高齢化が進む日本で、変わっていくものや求められることを考えてみたい。
具体的には
- 定年の延長
- 年金支給額の減少
- テクノロジーの活用
- ひとり暮らし・単身世帯の増加
の4つ。
これからの日本で変わっていくもの・求められるもの
定年の延長
まずひとつ目に考えられるのは、”定年の延長”。
少子高齢化が進むにつれて、生産年齢人口(15歳以上65歳未満の人口)の減少は進んでいく。
労働人口を確保しようとするのなら、選択肢はふたつしかない。
- 外国人労働者や移民を増やす
- 65歳以上でも働く
外国人労働者や移民を増やすには、様々な問題やハードルを超える必要がある。
- 地域住民の理解
- 外国人労働者(技能実習生)の待遇改善
これらの課題は、一朝一夕で解消できるものではない。
となると、これからの時代、65歳以上でも働かなければならない可能性が大いにある。
「一億総活躍社会」は、望む・望まないに関わらず、避けては通れないだろう。
これからの時代、”定年の延長”どころか”定年の廃止”すらありうる。
※外国人労働者に関するトピックは「外国人労働者 | NHK クローズアップ現代+」も参考になります。
年金支給額の減少
生産年齢人口の減少に伴って、”年金支給額の減少”も考えられる。
2020年のいまでさえ、高齢者1人を現役世代の2.0人で支えている計算。
年金の支給額がそのままであれば、高齢化が進んだときに現役世代1人当たりの負担が大きくなる。
仮に高齢者1人を現役世代の1.5人で支えなければならないとすれば、負担額はいまの約1.3倍になってしまう。
ただでさえ出産や育児でお金がかかる現役世代に、これ以上負担を上乗せすることは少子高齢化の社会において考えにくい。
となると、”年金支給額の減少”が視野に入ってくる。
※高齢者1人当たりを支えている現役世代の人数については、「2018年は2.1人で1人、2065年には? 何人の現役層が高齢者を支えるのかをさぐる」が参考になります。
テクノロジーの活用
生産年齢人口の減少を補うために、もはや”テクノロジーの活用”は避けられないだろう。
いまでも簡単で定型的な仕事なら、人の代わりにロボットやRPA、AIといったものがやってくれる。
さらにテクノロジーが発展すれば、より多くの領域で省人化や無人化といった流れが進むことだろう。
2015年に野村総合研究所からリリースされた調査結果では、次のように述べられています。
国内 601 種類の職業について、それぞれ人工知能やロボット等で代替される確率を試算しました。
この結果、10~20 年後に、日本の労働人口の約 49%が就いている職業において、それらに代替することが可能との推計結果が得られています。
10~20年後に約半数の人が就いている仕事が、AIに取って代わられる。
AI技術は、私たちの生活にそれだけの影響をもたらし得るテクノロジー。
もはや「新しいテクノロジーができたら、新しい仕事も生まれるから大丈夫!」と楽観視していられる状況ではない。
※「AIが仕事を奪うとは?なくなる仕事・残る仕事とAI時代の職業選択のポイント 」の記事も今後の働き方を考える上で参考になります。
ひとり暮らし・単身世帯の増加
”少子化”が止まらないとなると、ひとり暮らしや単身世帯の増加もより深刻な問題となってきます。
いまの日本では、サザエさんのように「親・子・孫」の三世代が一緒に暮らしている家庭を見かけることはほとんどありません。
結婚しない・子どもがいない(少ない)という世帯もこれから増えていくことでしょう。
そうなると、将来的には
- 高齢者の一人暮らし(独身 or パートナーに先立たれたなど)
- 高齢夫婦二人暮らし(子どもがいない or 家を出た)
といった家庭の割合が増えてきます。
そのような状況において、気をつけなければならないのが
- ケガ・病気
- 特殊詐欺などの事件
などのリスクです。
一人暮らしの場合、普段から人付き合いがなければ、ケガや病気などの異変に気がつく人はいません。
オレオレ詐欺などの不審な電話があっても、周りとの交友関係がなければ相談することもできません。
また、普段の生活を考えても、ひとり暮らしはコスパがよくありません。
同棲・同居しているなら、家賃の負担が軽く、食費もまとめ買いで一人あたりの単価を抑えることができます。
リストラや感染症などが広がった影響で職を失ったとしても、同居人がいれば、当面はやりくりすることができるかもしれません。
このように考えると、ひとり暮らしや単身世帯は、現代においてはリスクが高く、ひょっとすると贅沢な選択なのかもしれません。
※「≪コラム≫「核家族化」とよく聞くけれど、私たちの生活にどんな影響があるの??」では、核家族の割合や核家族になったことでの影響などを知ることができます。
いまのうちからできることはなにか?
少子高齢化が進むことで
- 定年の延長
- 年金支給額の減少
- テクノロジーの活用
- ひとり暮らし・単身世帯の増加
といったようなことへの対応が求められてくる。
「歳を取ってからも働かなければならないのかよ…」
「私の世代から年金が減るなんて不公平だ!」
そんな愚痴を言っている暇はない。
大切なのは、そういった未来に向けて、いまのうちからできることを着手すること。
何ができるかは、個人によって異なるとは思います。
私が考えている”いまのうちからできること”については、改めて書き記したいと思います。