「私、わがままだから」
どういう流れで、彼女がそう言ったのか、いまではもう思い出せない。
その言葉だけを鮮明に覚えている。
でも、どうして、わがままだと私に言ったのだろうか?
「(本当にわがままだったとしても、そんなマイナスなことをわざわざ言わなくていいのに)」
普通に考えると、わがままだとカミングアウトするメリットなんかないように思える。
そして、私はどういう返事をすれば良かったのだろうか。
「全然そんなふうに見えないよ!気にならないし」
そう返事したものの、はたして正しかったのだろうか。
そこで、この記事では、
- なぜ、彼女はわがままだと言ったのか
- どういう返事をすればよかったのか
といったことを考えてみたいと思います。
彼女が「私、わがままだから」と言った理由を考えてみる
仮説1:言い訳を作りたかった
ひとつめの可能性は、”言い訳を作りたかった”ということ。
具体的には、なにか彼女にとって都合の悪いことが起こったときに

私、わがままだって言ったよね?
って言えるように。
この言い訳を使えるケースは、2通り考えられる。
- 相手が自分の思うように行動してくれなかったとき
- 相手に自分の行動を注意されたとき
まず、相手が自分の思うように動かなかったとき。

〇〇ぐらいしてよ!私、わがままだって言ったよね?
そういって相手の非を責めることができる。
もうひとつのパターンは、相手に自分の行動を注意されたとき。
もし、わたしが

そういうことするのやめろよ!
と、彼女を注意したとしても

別にいいでしょ?前に言ったよね?私、わがままだって
と言ってかわすこともできる。
実際には、こういったわがままを言い訳にすることはなかったし、彼女の性格から考えると、こういった意図を持って言った言葉じゃない気がする。
けど、もし実際に、わがままを言い訳にされていたら、私は何も言い返せなかったと思う。
でも、今回いろいろ考えているうちに、「わがままだから何をやっても許される、っていうわけじゃないよね?」と思うようになってきた。
もちろん、実際に口にすることはなかったけど。
仮説2:自分に自信がなく、受け入れてくれるか心配だった
もうひとつの可能性は、”自分に自信がなかった”というもの。

自分勝手なことをやったら、どう思われるのかな…?
といったような気持ちから、”ちょっと確かめたい”と思って言ったのではないか?という可能性。
彼女は、私と付き合っている間、いつも不安だったのかもしれない。
- 嫌われたらどうしよう…
- 受け入れられなかったらどうしよう…
- こんな自分でも、いいのかな…
そういった気持ちを抱えたまま、日々を過ごしていたのかもしれない。
ときどき、彼女は

私なんか大したことないよ。かわいくもないし
といったことを言っていた。

そんなことないよ。過小評価しすぎじゃない?
と返すも、彼女はどこか真に受けていない様子。
そんな返事で良かったのか、いまでもわからない。
自分に自信を持てない彼女に、どうやって接するのが正解だったのだろうか。
一方で、「自分の言葉なんかで、性格を変えられるのか?人は変わるのかな?」なんて気持ちも大きくなってきている。
”他人を自分の思い通りに変えることなんかできない。自分のことを変えられるのは、自分しかいない”
そんな気持ちを、どうしても捨てきれない。
どういう返事をすれば良かったのかを考えてみる
返事1:わがままな人は、嫌やな…

わがままな人は、あんまり好きじゃないな…
そう言った場合、どうなっていただろうか。
もし、わがままを言い訳にしたかった場合には、ある程度の牽制にはなる。
しかし、いずれはわがままを抑えきれなくなり、きっとどこかのタイミングで関係がうまくいかなくなる。
一方で、受け入れられるか不安だった場合には、彼女を余計に心配させてしまう。

この人も、私を受け入れてくれないんだ…
と思われてしまっては、彼女との関係は縮まらない。
返事2:全然気にしないよ!

わがままだとか、全然気にしないよ!
そう言った場合は、どうなっていただろうか。
わがままを言い訳に使おうと思っていた場合、行く末は破滅しかない。
はじめは何とも思っていなくても、彼女のわがままを満たすことがだんだんと苦痛になってくるのは目に見えている。
一方で、自信がなく、受け入れられるか自信がなかった場合は、余計な不安をかけなくて済む。
しかし、”わがままを言い訳に使う人”に変わってしまう可能性もある。

この人は、わがままなことを言っても大丈夫なんだ!
と間違った認識をされれば、自信を持っていなかった反動から、わがままが過大なものになりかねない。
返事3:はっきりとは言わず、話題をずらしていく

そういうふうには見えないな。わがままってどんなふうに?
といったように、相手から”わがままエピソード”を引き出すような返事をし、会話を続けていく。
そして、話題を少しずつずらしていき、”わがままである”ということに対する好き嫌いを答えなくていい流れにしていく。
これなら、わがままを言い訳にしたい場合でも、自信がなく不安な場合でも対応できる。
ただ、相手から返ってきたエピソードには、臨機応変に対応しなければならなくなる。
このあたりは、経験を積み重ねることでしか、解決できないことなんだと思う。
会話は計画を立てて行うものでもないし…。
そもそも、答えなんてないのかもしれない。
女性に慣れている人は、どういうふうに返すのだろうか?
いろいろ考えてはみたものの、答えはなかなか見つからず、会話というものは難しいと、ただただ痛感するだけだった。