夫婦共働きであれば、ある種のリスクヘッジにつながります。
しかし、夫婦で同業種の場合、そのリスクヘッジの効果が少なくなるのではないでしょうか。
ここでは、
- 時代の変化
- 感染症の流行
- パートナーの不祥事
という3つの観点から、そのリスクの高さを考えてみたいと思います。
夫婦共働きというリスクヘッジ
ひとつの家庭で、複数の収入源を持つことは、リスクヘッジにつながる。
一方が病気やケガ、失業に見舞われた場合でも、もう一方が働いていれば、少しの間なら、なんとかやりくりできる可能性が高い。
しかし、ひとり身であったり、周りに頼れる人がいない場合、事態はいっきに悪化する。
その時点で貯金がなければ、生活もままならない。
人との付き合いが希薄になったいまだからこそ、リスクヘッジという観点から見れば、結婚の価値は、従来よりも高くなっているのではないでしょうか。
ひとつの出来事で、夫婦揃って収入を失う可能性が…
しかしながら、同じ業種同士の結婚では、リスクヘッジの役割が十分に果たせなくなる可能性が出てくる。
なぜなら、ひとつの社会的な出来事に対して、共倒れになる可能性があるからだ。
ケース1:時代の変遷による特定の業種の衰退や倒産
1つ目のケースは、「時代の流れ」
昔は、”銀行に入れば、生涯安泰”とまで言われていた。
しかし、今は金利も低く、テクノロジーが進歩するに従って、省人化も進む。
人材削減を図っていかなければならない局面にきている。

銀行に勤めていれば、そういった時代の流れの影響を受けることになる。
夫婦そろって銀行勤めだと、なおリスクは高まる。
また、同じ企業で働いている場合は、さらにリスクは高くなる。
それがたとえ大企業であったとしても。”大企業は安泰”は、もう過去の話だ。
”四代証券”の一角である”山一證券”は廃業し、大手家電メーカーの東芝やSONY、SHARPもかつて大規模なリストラを断行したことがある。
夫婦そろって働いていれば、夫婦そろって職を失う可能性もある。
ケース2:感染症による休業要請や自粛による客数減
次のケースは「感染症」
コロナが流行し、緊急事態宣言の発令。飲食業や観光・サービス業は休業を迫られた。
また、緊急事態宣言が解除された後も、なかなか客足が戻らない。
もし夫婦で飲食業や観光・サービス業に従事していたら、一気に収入減が失われることになる。
さらに事態が深刻なのは、夫婦で営んでいる自営業者だ。
この先の見通しが立たない中でも、店舗の賃貸料は重くのしかかってくる。
このまま店を構えるのか、それとも店をたたむのか、苦渋の選択を強いられる。
ケース3:パートナーの不祥事やスキャンダルによる信用の低下
最後は「パートナーの過失やスキャンダル」
これは、評判や信頼が重要視される職業(芸能人や政治家、医者、教師など)特定の業種に限られるリスクになります。
パートナーにスキャンダルが報じられたら、もう一方の仕事も当然なくなる。
たとえ、パートナーのスキャンダルが本人とは一切関係のないことでも、その影響は計り知れない。
- 芸能人の不倫やスキャンダル
- 政治家の不祥事
- 医者の医療ミス
- 教師の暴力行為やわいせつ行為
他業種であっても、影響がまったくのゼロとは限らないが、同業種どうしであれば、インパクトはより大きくなることだろう。
信頼が大きなウェイトを占める業種であれば、なおさら。
可能性を拡げるための行動が重要になってくる
ここまで”夫婦で同業種のリスク”を考えてきましたが、もちろん結婚は相手の職業で決めるべきものではありません。
必要なのは、日頃から”なにかあったときに備える行動をしておくこと”ではないでしょうか。
この先、生き残っていく業界・企業なんてわかりません。
しかしながら、日々、時代の変化に気を配り、次に来ると言われているもの(いまなら”AI・人工知能”とか)に対する知識や技術を取り入れることが必要でしょう。
また、従来のやり方にこだわることなく、社会の変化に応じて、柔軟に対応していく姿勢も求められる。
「自身が提供している価値はなにか?」を意識して、変えていいところ・変えてはダメなところを明確にしつつ、環境に適応する形で進化していく。
そういった考えを持つパートナーと巡り会えれば、たとえ同業種どうしの結婚であっても、一生安泰なのかもしれません。