言葉の力 声を上げることの重要性と危険性

言葉の力は、とてつもない。

声にすることで、変わることがたくさんある。

しかし、それはいい方にだけでなく悪い方にも変わってしまう可能性がある。

ここでは、声を上げることの”重要性””危険性”について、改めて考えてみたい。

声を上げることで変えていくことができる

声を上げることで、変えることができるものがある。

今回のコロナ騒動で私が強く感じたのは、次の2つについて。

  • 政策の変化
  • 人々の意識の変化

政策の変化

  • 9月入学の議論
  • 10万円の一律給付
  • 検察庁法改正案の見送り

これらは、声を上げることで変えることができた。

ひとりの高校生が学習の遅れを取り戻す方法として提案した「9月入学」。
多くの人が「考えてみる価値がある」として、議論が起こるようになり、政府の検討チームまで立ち上がることになった。

「10万円の一律給付」もそうだ。
はじめは「特定の条件を満たした場合のみ30万円の給付」となっていた。
しかし、「条件が複雑でわかりにくい」「本当に困っている人に届くのか」「もっとスピーディに給付できないのか」といった声が上がり、「10万円の一律給付」へ変更になった。

「#検察庁法改正案に抗議します」
SNS上から広がったこの騒動を見て、多くの人が検察庁法改正案のことを知った。
「コロナで大変な時期に何をしてるんだ」などの声が大きくなり、最終的には見送りとなった。

「政治なんて、どうせ自分には関係ない」
わたしは、心のどこかで思っていたが、今回の騒動はその考えを改めるきっかけとなった。

人々の意識の変化

声を上げることで変わったのは、政策だけではない。人々の意識も変わってきているように思える。

「医療従事者に感謝を」
未知のウイルスと戦いで、疲弊する医療従事者を応援しようという取り組み。

「自己満足だ」「偽善でしかない」といったことを言う人もいる。

確かに、「医療従事者を感謝」するというのは、かなり神経を使うセンシティブな行為だと思う。

医療従事者の方の中には、「応援されている」と素直に受け取れる人もいれば、心の余裕がなく「安全なところで何を言ってんの?バカにしてるの?」と感じてしまう人もいると思う。

しかし、この「医療従事者に感謝を」は、私たちの意識を変えた。

この運動が発展していき、介護士・福祉士などのソーシャルワーカーやインフラや生活を支えるエッセンシャルワーカーの方々への感謝へと広がっていった。

わたしたちは忘れていた「周りの人への感謝」の気持ちを思い出した。
文明が発展していく中で失われていた”人間らしい感情”を、取り戻すことができたのだ。

言葉によって、意識は変わる。意識が変わると行動が変わる。

言葉には、大きな力がある。

深く考えないと間違った方向に進みかねない

言葉には、強い力がある。それは、ときとしてマイナスの方向に働くこともある。

具体的には、次の2点の可能性を常に留意しておきたい。

  • 不利益を被ることになりかねない
  • 人を追い込むことになりかねない

不利益を被ることになりかねない

私たちが声を上げることで政策が変わる。

しかし、印象論や感情論に流されて、深く考える前に声を上げてしまうと、得られるはずだったメリットを受けることができなくなる。

「マイナンバー制度」は、その例かもしれません。

今回の「10万円の一律給付」がなかなか進まないなか、「マイナンバーと振込先の口座が紐付いていたらスムーズに給付されたのに」との意見も出てくるようになりました。

思えば、マイナンバーの議論が始まったとき、私たちは

  • プライバシーが侵害される
  • 国に管理されるなんて怖い

といった印象論や感情論で判断してしまっていたように思う。

具体的に

  • どういった情報がマイナンバーと紐づくのか
  • どういった運用なのか
  • どういったメリットがあるのか

といったことをはっきりと理解せず、どこかぼんやりしたまま声を上げていたように思える。

人を追い込むことにつながりかねない

「ペンは剣より強し」

悪意を持って用いれば、言葉は人のこころに突き刺さり、傷となって残る。

顕著なのは、有名人への誹謗中傷ではないでしょうか。

一日数百件~数千件もの暴言やバッシング。止むことなく連日連夜に渡る誹謗中傷。

周りには敵しかいないというような錯覚も覚えてもおかしくありません。

そんな状況下におちいれば、街を歩くだけでも、

「突然、見知らぬ人から危害を加えられるかもしれない」

と恐怖を感じるのではないでしょうか。

「気にすることないよ」というアドバイスも、どこか他人事のようなアドバイスに聞こえてしまう。

発言する前に、周りに与える影響を考える

SNSが普及して、私たちは会ったことのない人とも簡単に交流できるようになった。

しかし、「簡単に発言できるからこそ、気軽に発信してはいけない」ということを、私たちは忘れてしまっていたように思える。

言葉の影響力は、強大なもの。

だからこそ、発言する前に「周りにどういった影響を与えるか」を考え、想像することを忘れてはいけない。

女子プロレスラーの木村花選手、22歳で死去 SNSで中傷されていたと示唆 - BBCニュース
木村さんは亡くなる直前、インターネットで誹謗中傷を受けていたことを示唆する気がかりな内容を自身のソーシャルメディアアカウントに投稿していた。

もうこれ以上、悲しくなるニュースを聞かなくていいように。