”尾玉なみえ”というギャグマンガ家を知っていますか?
代表作は
- 純情パイン
- 少年エスパーねじめ
- マコちゃんのリップクリーム
など。
ひょっとして
「どの作品も知らないし、そもそも誰だよ!」
って思ってます?
それも仕方ないと思います。
なぜなら、尾玉なみえ先生は、自他ともに認める”打ち切り漫画家”だからです。
知名度が低いのです。
出版社からも、”業界のゾンビ嬢”と呼ばれたり…。

でも、ただの打ち切りマンガ家ではありません。
才能がありすぎて、時代が尾玉なみえ先生に追いついていないだけなのです。
ここでは、そんな尾玉なみえ先生の魅力をお伝えします。
ぶっ飛んだキャラしかいない
尾玉先生の描くキャラクターは、どこか可愛らしさがあります。
でも、その絵柄からは想像できないほど、”尾玉”ワールドのキャラクターはぶっ飛んでいます。
例えば、”少年エスパーねじめ”の主人公の”ねじめ”。
”ねじめ”は、正義の”白エスパー”。
人々の日常の平和のために、世界を混沌へと導こうとする”暗黒エスパー”と戦います。
”暗黒エスパー”の目的は、”混沌とした世界の成立”。
どのような世界かというと
- 自販機から望まれない「おしるこ」が飛び出してくるような世界
- チューのときにかぎって鼻毛が飛び出してくるような世界
- 100円で300円分のお菓子が買えてしまうような世界
などの成立をたくらんでいます。
一方、”白エスパー”は、”暗黒エスパー”と戦い、”秩序”を守るのが仕事。
なのに、どう考えても主人公の”ねじめ”のほうが、たちが悪い。
- 他人の家で”暗黒エスパー”と戦い、最終的に家を半壊させる
- 駄菓子屋の店主の目の前で、堂々と万引きを行う
- 全❍になり、”「漢」撮影会”をする
そんな様子を見て、ある”暗黒エスパー”はこう言います。
あれはどっちですか?
(補足)「”秩序” or ”混沌”、どっちなんだ」という意味で言っています。
そんな”カオス”なキャラクターが、”尾玉なみえワールド”にはたくさん出てきます。
ていうかほぼ全員ぶっ飛んでいます。
展開が予想外すぎる
ギャグマンガは、とてもむずかしいもの。
”笑い”が生まれるのは、予想外のことが起こったときです。
オチが読めてしまうと笑えなくなってしまいますよね。「あぁ、この後、こうくるな!」って予想出来てしまうと、おもしろさ半減。
でも、いい意味でも悪い意味でも、尾玉先生は私たち読者の予想を裏切っていきます。
少年エスパーねじめでは、テレポーテーション能力のせいで、”るきじ”の頭にリコーダーが刺さったり、吹いたり。
マコちゃんのリップクリームでは、小学生の息子が家族の奇行を見て、「ボクの血、キンモ〜イ」って叫んだり。
一度でいいから、尾玉先生に

どうやったらこんなこと思いつくんですか?
って聞いてみたいほど。
私たち読者の想像が及ばない(ときに読者さえも置き去りにする)展開の連続に、笑いが止まりません。
言葉選びが異次元すぎる
そして、最後に紹介したいのが、独特すぎる尾玉先生の言葉遣い。
イチバン印象に残ってるのが、次の言葉。
とろけなよ そして みだれなよ
(出典:少年エスパーねじめ)
インパクトあるセリフがふと脳裏によみがえり、思いだし笑いが止まらなくなります。
職場で思いだし笑いをし、上司から「お前、どうした?」って言われないように注意です(実体験)。
また、尾玉先生のマンガには、”勢い”があります。どの話も終盤になるにつれて、テンポが上がっていくというか。
怒涛のテンポとこれらの独特な言葉遣いが相まってカオスな笑いを提供する”尾玉なみえ”ワールド。
ハマれば病みつきになること間違い無し!
”ピューと吹くジャガー”や”ギャグマンガ日和”、”行け!稲中卓球部”などの有名なギャグマンガをすでに読み終わった方は、”尾玉なみえ”ワールドに足を踏み入れてみてはどうでしょうか?
「まだ”尾玉なみえ”先生の作品を読んだことがない」という方にオススメなのは、少年エスパーねじめです。
短いですが、インパクトのある話が多く、”尾玉なみえ”ワールドを十分に堪能できます。