スマホが普及し、ネットは以前よりも身近なものになった。
SNSも盛んに行われるようになり、見ず知らずの人との交流が盛んに行われるようになった。
情報が簡単に、大量に手に入るようになった反面、私たちはなにか大切なものを忘れてしまったように思える。
ここでは、スマホやSNSから離れて、情報から距離をおいた際のメリットを考えてみたい。
具体的には
- 自分の時間を有意義に過ごせるようになる
- 本当に必要なものがわかるようになる
- 必要のないストレスを溜めることがなくなる
といった事柄だ。
情報から距離を置くことのメリット
メリット1:自分の時間を有意義に過ごせるようになる
1つ目のメリットは、「自分の時間を有意義に過ごせるようになる」ということ。
ネットに夢中になって、気がつけば1日が終わろうとしていた、なんて経験はありませんか。
「せっかくの休日だったのに、1日中ネットしてしまった…」
なんて後悔をしたことがある人は多いと思います。
そもそも、いちどネットを始めてしまうと、なぜやめられないのか。
「SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術」という本の一節では、私たち人間の身体は、”絶えず何かを探求するようにできている”と述べた上で次のように説明している。
獲物を探す、先がどうなるかを知る、といったことをするだけで、ドーパミンは分泌される。
脳はドーパミンがじわじわ分泌される状態が大好きだ。そんな脳が、インターネットにハマらないわけがない。
(中略)
ネットは、探し求めることをしたい脳やドーパミンにとって理想の存在だ。
そこには、「見つけた!」と実感できる情報が無限にある。
本来、私たちが情報を求めるのは、いまよりも良い生活を送るためだ。
- 体の不調を治したい
- 健康になりたい
- たくましい体を作りたい
- モテたい
などといった願望を叶えるために情報を探す。
しかし、情報を探すことにハマってしまったら、そこで得られた情報を行動に移す時間が少しずつなくなっていく。
健康になるには、バランスの良い食事と十分な睡眠、適切な運動が欠かせない。
たくましい体を作るには、筋トレの習慣を身につけるしかない。
モテたいなら、異性と話す機会を作らないとどうしようもない。
それなのに、「他にいい方法はないのか?」と情報を探すことから抜け出せないでいると、適切な運動や睡眠、筋トレなどの時間さえも失っていく。
情報にハマるよりも、どこかで区切りをつけて行動を起こすほうがよっぽど有意義な時間を過ごすことができる。
メリット2:本当に必要なものがわかるようになる
2つ目のメリットは、「自分が本当に必要としているものがわかる」ということ。
私は最近、”欲望は、作られたフィクション”だと思うようになった。
それは、私たちが情報に踊らされ、消費を強いられていると感じたからだ。
ネットを繋げば、
- いま話題の新商品
- プロが選ぶ超便利グッズ
- ○○がある素敵な暮らし
などといったキャッチーな謳い文句とともに商品が紹介されている。
そういった記事を読めば読むほど、そこで紹介されている商品が欲しくなってくる。たとえ、いまの生活で何不自由なく暮らしていたとしても。
本当なら必要がなかったものが、情報に触れれば触れるほど必要だと錯覚し、欲しいものだと思わされている。
まさに情報に踊らされ、消費を強いられる形になっている。
”世界でいちばん貧しい大統領”として有名な”ホセ・ムヒカ”氏は、そういった”超消費社会”の現状を憂い、次のように述べた。
「貧乏とは、少ししか持っていないことではなく、かぎりなく多くを必要とし、もっともっととほしがることである」
このことばは、人間にとって何が大切かを教えてくれます。(引用:世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ)
たくさんの情報に触れれば触れるほど、欲しいものややりたいことは増えていく。
- 車
- マイホーム
- 結婚
- 海外旅行
- 生活雑貨
- 書籍
- ゲーム
欲望を満たすには、お金が必要になる。たくさんの欲望があれば、それだけたくさんのお金が必要になってくる。
お金を支払って購入するということは、お金を得るために働いた時間を対価として支払っているということになる。
欲望を満たすためにはお金が必要になる。
お金を稼ぐために、”1時間あたりいくら”という条件で働く。
つまり、私たちは自分の時間を犠牲にしてお金を得ている。
そのお金を使って欲望を満たしている。
欲望に襲われそうになったとき、自分の時給を思い出し、次の問いかけをしてみよう。
「いま目の前にあるものは、○○時間分の給料の代わりに渡されても満足できるものなのか?」
「これは本当に自分が欲しいものなのか?」
情報に触れる機会が多ければ多いほど、自分が本当に欲しいものがわからなくなる。
そして、欲望に支配されて時間やお金を失っていく。
そうならないためにも、情報から距離を置いて、いちど自分の心を見つめ直そう。
”本当に必要なものはなにか?”を見極めるためにも。
物に囲まれた生活は、決して裕福なものではない。少ししか持っていなくても、決して貧乏ではない。
メリット3:必要のないストレスを溜めることがなくなる
3つ目のメリットは、「不要なストレスを抱えなくて済む」ということ。
ネットが発達した今では、得られる情報の数は昔と比べてケタ違いに増えた。
昔ならどうやっても得ることができなかった遠くの地方の小さな出来事も、ネットを使えば簡単に得ることができる。
SNSが普及した今では、どこの誰か知らない人の発言も、目の前に流れこんでくる。
そういった情報の中には、頭に来るような出来事や発言もたくさんある。
他人のことを顧みないで無責任な発言や行動といった情報を、ネットやSNSを通じて見て、
「人としてありえない!こんなことをするやつはおかしい!」
といった気持ちになり、ストレスがたまったという経験は誰しもある。
でも、よく考えると、これらの出来事や発言って、多くは自分とまったく無関係でどうでもいいようなこと。
情報に触れることによって、自分とは関係のないことで苛立ち、腹を立てている。
そう考えると、腹を立てていた自分が馬鹿らしく思えてきた。
わざわざTwitterを立ち上げ、ストレスを溜め込む。ときには、そのストレスをつぶやく。
そして、周りの人にストレスを伝染させる。ただの悪循環でしかなかった。
情報に接する時間を減らせば、そういった”本当なら必要がなかったストレス”を抱えることが少なくなってくる。
そして、ストレスが減った分、穏やかな気持ちで日常を送ることができるようになる。
あなたが本当に望むものはなんですか?
あなたが本当に望んでいることはなんですか?
- 朝から晩までネットで情報を追い求める生活?
- 欲望を満たすために自分のお金と時間を浪費する生活?
- 自分とまったく関係のないことでストレスを溜め込む生活?
そんなものではないはずです。
本当に必要なものはなんですか。本当に必要なものは、きっとそんなに多くありません。
外に出て、青空を見上げながら、ほんの少しの時間だけでも考えてみませんか。