承認欲求が満たされなかった僕たちは

いつからだろう、人の顔色をうかがうようになったのは?

どうしてだろう、人との付き合い方がわからなくなったのは?

それらはきっと、中学生になってすぐに起きた、ちょっとした出来事が原因。

きっと誰にでもあるような、ありふれた話。

あなた
そんなこと、たいしたことじゃないだろ!

そう思うような出来事かもしれない。

でも、そのときの私は、目の前が真っ暗になった。

自分に自信を持てなくなるには、十分な出来事だった。

“他人に受け入れられない”ということを、私が恐れるようになった出来事。

スポンサーリンク
レクタングル(大)

いつでも一緒だった

元々、私はあまり人懐っこい性格ではない。どちらかというと人見知り。

でも小さい頃は、人との付き合い方で悩むことはなかった。

小学校の頃は、いつも一緒にいる友達がいたから。

名前は”しんじ”。

先生
二人一組になって!

と言われれば、特に言葉を交わすこともなく、”しんじ”とペアを組んでいた。

それが当たり前だった。どんなときでも、ふたりでいるのが自然だった。

いつも一緒で、本当に仲いいね。まるで兄弟みたい!

周りの大人がそう言うぐらい。いつも一緒にいた。

小学校6年生の卒業式の日、しんじが私に言った言葉をいまでも覚えている。

しんじ
中学校いってもよろしく頼むな!

ペア解消は突然に

それは、中学校に上がってすぐのことだった。

私の通っていた中学校は、周辺の3つの小学校に通っていた子供たちが集まる。

クラスの数も2クラスから6クラスに増えていた。

クラスが増えたからなのか、しんじとは別のクラスになっていた。

中学校からは、部活も始まる。

私は、テニス部に入った。

入部の理由は

しんじ
テニス部に入りたい!

というしんじの一言がきっかけ。

私自身、それほどテニスに興味があった訳でもなかった。

中学校では、ダブルスの試合しかなく、練習のときからペアを組み、試合に臨むという形だった。

にいろくお
どっちが前衛やる?

そう言ったとき、返ってきたのは

しんじ
おまえとは組まんから。同じクラスのやつと組むから。

という言葉。

当然、私はしんじと組むつもりだった。向こうもそのつもりでいると思っていた。

いきなりのことで訳がわからなかった。

にいろくお
小学校までは仲良かったんよな?なんで急に?

ペアを組めなくなって、しんじに見捨てられたような感覚。

自分の居場所がなくなっていくのを感じた。

その日は、モヤモヤした気持ちのまま家に帰った。

違和感はそのあとも

でも、異変はそれだけじゃなかった。

別の日、しんじと他の数人が

しんじ
今度、USJ行こうぜ!

なんて会話で盛り上がっていたとき。

にいろくお
いつ行くん?俺も行っていい?

そう言って、会話に入ろうとすると

しんじ
はぁ!?なんでお前が来るん?

という一言だけ返ってきた。

にいろくお
俺、なんかしたっけ?嫌われるようなことあった?

考えても分からない。心当たりがまるでない。

でも、確かにしんじとの距離が広がっていくのは、ひしひしと感じた。

ケンカしたわけでもない。小学校の頃は、何かあるたびにペアを組んでいたのに。

テニスの練習に付き合わされることはあった。

でも、それは”仲がいいから”というより、しんじにとっての”お手軽な練習台だから”という感じ。

「利用されてる」という思いが常につきまとった。

いま思うと、仲間はずれにされた原因は、思春期特有のものだったのかもしれない。

「なんかムカつくから」とか「なんとなく?」みたいな。

特に意味や理由なんてなかったのかもしれない。

いま、しんじに理由を聞いても

しんじ
そんなことあったっけ?

って言われるんだろうな、きっと。

自信のなさと疑り深さ

その出来事があってから、人との付き合い方がわからなくなった。

ありのままの自分が出せなくなったというか。

にいろくお
こんなことしたら、嫌われるんじゃないか…?
にいろくお
仲がいいのは、表面だけなんじゃ…?

そんな思いがつきまとうようになった。

恐れるあまり、深く踏み込んだ人間関係を築くことができなかった。

上っ面だけの人付き合いだけが増えていった。

彼女を欲しくなった理由はひょっとして…

思えば、私には他人に受け入れられたという記憶がない。

しんじとは疎遠になり、中学校で新たに仲良くなった友達には、すでに私よりも仲のいい”いちばんの親友”がいた。

私はいつも、”いちばん”ではなかった。

“いちばん”でないことに、どこか虚しさを覚えた。

にいろくお
俺を本当に必要としてくれる人はいないんだ…。

っていうふうに。

“認めてほしい”っていう思いは、いまでもあるのかな?

ひょっとしたら、私が”彼女がほしい!”と思っている根底には

「承認欲求を満たされたい!」

という思いがあるのかもしれない。

にいろくお
ダメな私でも、受け入れてほしい!”いちばん”って言ってほしい!

それらの欲求を満たすいちばん簡単な方法が、”彼女を作ること”だと、心のどこかで考えているのかも。

私の抱く、”恋心”は、どこかゆがんでいびつな形をしているんじゃないか?

そんな思いを抱えながら、私は今日も生きていく。

“本当の自分の気持ち”がわかる日を待ちわびながら。

スポンサーリンク
レクタングル(大)

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル(大)